闘うレヴィ=ストロース

相変わらず、乱読中っす。今週も帰宅中に3冊購入した。というか、最近、3冊を同時に買うという変な習慣が身についた(w)。んで、早速、電車の中で渡辺公三著「闘うレヴィ=ストロース」(2009年)を読み始めた。以下、メモ(P.21-22)。

 調停が不可能になって思考が停止する「矛盾」ではなく、一見克服しがたい「逆説(パラドクス)」をつきつめてゆき、その過程を豊かな経験に転換する思考の流儀といったものがレヴィ=ストロースにはあるように思える。
 レヴィ=ストロースにとって『神話論理』の基本的なモチーフのひとつは、人間にとっての「感覚的なもの」と「理性的なもの」の対立を克服する方法はあるのか、「神話」はその答えではないか、という問いにあるといえるだろう。そのことは後に詳しく見てゆくことになる本書の主題のひとつでもある。

半分くらいは、既に知っている話ではあるけどな。まっ、とりあえず、これを読んで、今後はレヴィ=ストロースの「知ったかぶり」をする所存です(おいおいw)。*1

ちなみに、後の2冊は「民主主義が一度もなかった国・日本」(2009年)と「思想地図vol.4 特集・想像力」(2009年)。何かいいヒントはあるのだろうか。

先月は、数理経済学者の小島寛之の本を集中的に読んだ。まっ、前からこの方のファンではあるのだけど、ジョン・ロールズの「正義論」*2を最先端の確率理論から擁護する、という大胆な試みには嫉妬した(なぜ嫉妬するのかは意味不明w)。*3

他にはル・コルビュジエの本とか経済学の本とか戦後日本の本とか脱税の本とか、週刊東洋経済(12月5日号)*4とか週刊ダイヤモンド(11月28日号)*5とか、いろいろと瞬発力的に買っては乱読した。今月は少し控える(w)。以上っす。

(メモ)

<韓国>首都機能移転での混乱 李大統領が謝罪 計画も変更
毎日新聞、2009年11月27日)
 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領*6は27日、韓国西部の忠清南道に世宗(セジョン)市を建設して政府機関を移す首都機能移転について、計画を修正する意思を表明し「社会の葛藤(かっとう)と混乱を引き起こしたことについて申し訳ない」と国民に向け謝罪した。

(中略)首都機能移転は、忠清南道・燕岐(ヨンギ)、公州(コンジュ)などにまたがる地域に世宗(セジョン)市を建設し、経済官庁を中心に13省庁をソウルから移す計画。故盧武鉉ノ・ムヒョン)大統領が推進した。

これは残念なニュースかも。(ネットで)少し調べてみる。*7

他のニュースは、「ドバイ・ショック」は別として、池袋の三越跡地に「ヤマダ電機」がオープンした*8とか新宿に「H&M」がオープンしたとか渋谷に「ZARA」がオープンしたとか、、まっ、いいか。とりあえず、大雑把には、別ブログの「エソラ」の記事で「ららぽーと豊洲」を例にして書いたような、都市空間の(大型)専門店化が進行しているということです。ただ、「H&M」(や「ユニクロ」)のような「低価格」で商品を売る店が都心に進出しているという現象は、少し新しいかも知れない(少なくとも中心地理論では説明できない。ひょっとしたら、採算性を度外視して、ブランドの「広告」的効果*9を狙っているのかも知れない←超適当に書いてますw)。そして、「ZARA」は、「サプライチェーン方式」を採用していることでも知られている。

まっ、いずれにせよ、「しまむら」が銀座に進出しても僕は驚かない。「タタ・ナノ」も日本に上陸すべきなのだ。*10

(追記)
上記の週刊ダイヤモンドの記事を読んで、考え方を変えた。別ブログの「エソラ」の記事で、都市空間における「この国の『公共性』について考えるならば、『経済性』をフックにしなければならない」と書いたけど、この旗は降ろす。

新しい旗は、ジョン・ロールズ色(「公正」)とレヴィ=ストロース色(「多様性」)に染まるだろう、と、ぼちぼち(歩きながら)考え中。これは「新建築2009年11月号」の巻頭の「現代において集合住宅をつくる意味」(仙田満)を読んで感じた何かとも、関係している*11。上記の小島寛之の本とも、関係している。まっ、とりあえず、上記の「闘うレヴィ=ストロース」を読み終えてからよく考える。

それと、前に「コーリン・ロウ-2」や「コーリン・ロウ-3」の記事で、コーリン・ロウとの比較で、「レヴィ=ストロースは『多様性』という概念を、上記のような意味で用いてはいない」と書いたけど、これは「多様性」の日本語訳の問題かも知れない、とふと気になった(歩きながら)。例えばロバート・ヴェンチューリ著「建築の多様性と対立性*12の原題は「Complexity and Contradiction in Architecture」だったりする(「diversity」ではなく「complexity」が「多様性」と訳されている)。これはちゃんと調べないとイケナイ、と思ったけど、まっ、別にいいか(こらこらw)。忙しいんです(←言い訳)。

*1:環境のイメージ」の記事参照(「感性の領域を理性の領域に、前者の特性を少しも損うことなしに統合することを企てる」)

*2:コーリン・ロウ-3」、「メモ-2」の記事参照(「正義論」)

*3:小島寛之著「確率的発想法〜数学を日常に活かす」(2004年)も参照

*4:旧ブログの「東京ディズニーランド」、「Freedom-1」(コメントも)、「Airplane House」の記事参照(「ディズニーランド」)

*5:別ブログの「雑記6」の記事参照(「ネットスーパー」)

*6:李明博は元ソウル市長で、「ソウルの中心部を通り抜ける清渓高架道路を取り除くことで、市民の大切な憩いの場『清渓川』を復元した」ことでも知られている。旧ブログの「TRANSPARENCY」の記事参照

*7:別ブログの「クルーグマン」の記事参照(「首都機能の移転」)

*8:別ブログの「マンハッタンのゆくえ(後)」の記事参照(「ドバイ」、「ヤマダ電機」)

*9:別ブログの「抹消された「渋谷」」の記事参照(「広告都市」)

*10:別ブログの「100年後」の記事参照(「社会のシステムが変わる」)

*11:主題から少し外れるけど、このエッセイで建築家の仙田満は、「『21世紀の地方都市はコンパクトシティを目指さねば』と言われているが、実際には住宅政策がない。デベロッパーに任せ放しである。そこにコンパクトシティを実現できる道筋は見えない」とも述べている。旧ブログの「Integral Project-3」の5の記事参照(「海外の『コンパクトシティ』では、同時に、低所得者用住宅を建設する等によって、社会全体のバランスを取るけど、日本では、なぜかそこは市場経済を重んじる、という立場となる」)

*12:別ブログの「ノエル」の5の記事参照(「建築の多様性と対立性」)